修学旅行で福島県いわき市を訪れました。

2017/05/24(水)
 いわき市薄磯地区の海岸沿いを、震災語り部の方にご案内いただきました。家々が密集していた地区ですが、津波によりほぼ壊滅状態になってしまったとのことでした。現在は、土地のかさ上げや高さ7.2メートルにも及ぶ防波堤工事のため、大型トラックが頻繁に行き来している様子が見て取れました。
 海岸近くの慰霊碑で、生徒たちは静かに手を合わせました。
 災害公営住宅「薄磯団地」では、被災者の方々からお話をお伺いしました。「津波が黒い壁のように迫ってきた」「“助けて”という声が今も忘れられない」など、当時の状況をご説明いただき、目に涙を浮かべる生徒もいました。
 長崎県や佐世保市からの思いを伝えるため、また今回の交流の証として、佐世保独楽をお贈りいたしました。
 最後に、生徒がコーラス(ふるさと、このみち)を披露し、交流を締めくくりました。大勢のマスコミの皆様に囲まれ、生徒たちも若干の緊張があったようですが、実際に来ることでしか経験できない、充実した交流となりました。
 また団地の皆様も、自らの思いや体験したことを生徒たちに伝えようと、時間が足りなくなるほど熱心にお話しくださいました。本当にありがとうございました。
 生徒たちにとって、この交流は一生忘れられないものになることでしょう。
 宿泊先の「スパリゾートハワイアンズ」にて、講話をお聞きしました。演題は”福島第一原発事故と放射線”で、講師は除染情報プラザの青木仁様です。福島第一原発の事故後の放射性物質の流れや放射線量、また人体に及ぼす放射線の影響など、理解を深めることができました。
 また、風評被害により福島県の復興がまだまだ道半ばであることも、感じさせるお話もありました。
 ホテルではフラガールのショーを楽しみました。男性ダンサーのファイヤーダンスの迫力に圧倒され、フラガールのダンスではその華やかさに魅了されました。
 フラガールの皆さんも、震災により活動ができず、ステージ再開の日まで約半年間、全国を巡って福島県の元気をアピールしてこられたそうです。
 様々な困難を乗り越えてこられた皆さんの笑顔は、ますます輝いて見えました。
気分はハワイアン!!
 水族館「アクアマリンふくしま」では、職員の方より震災当時の水族館の様子や防災についてお話を伺いました。
 職員の方が撮影されたビデオには、波が水族館へ侵入してくる様子や車が流される映像などが映っており、改めて津波被害の大きさを感じさせられました。また、いつくるかわからない災害への備えの大切さについても学ぶことができました。
 アクアマリンふくしま名物の、三角トンネル水槽です。
 観光物産館「いわき・ら・ら・ミュウ」で開催されている”いわき東日本大震災展”を見学しました。パネルや映像から、当時の被害の状況、人々の暮らしの様子などが伝わってきました。
 避難所の様子が再現されています。ダンボールで仕切られた空間は思いのほか狭く、ここで過ごさざるを得なかった人々のことを思うと、胸が絞めつけられるような思いがしました。
  いわき市立中央台東小学校6年生の児童の皆さんと、佐世保独楽を使って交流を行いました。
 まずは本校生徒が、児童の皆さんに独楽の回し方を伝授します。子どもたちはすぐに習得、上手に廻すと歓声が上がります。
 「息長勝間勝競(いきながしょうもんしょうくらべ)」の掛け声の下、小学生と高校生のコマ回し対決が始まりました。より長く廻った方が勝ちとなります。
 結果は……1勝1敗で、仲良く引き分けとなりました!

※佐世保独楽には玩具のほかに、縁起物の民芸品の側面もあります。息長く廻ること=いつまでも福島の地を思い続けるという、私たちの気持ちを込めています。
 小学生の皆さんのマーチングです。きれいな演奏と、その迫力に圧倒されました。一糸乱れぬ動きに、練習を積み重ねてこられていることがわかり、大変感動しました。
  最後に記念撮影。中央台東小学校の6年生の皆さん、そして先生方、楽しい時間を過ごすことができました。時々は佐世保独楽で遊んで、私たちのことを思い出してくれたら、嬉しく思います。本当にありがとうございました。

※この日のために松円幼稚園(佐世保市松川町)の園児の皆さんが、コマ廻しの台にかわいい絵を描いてくれました。ありがとうございます。
× 閉じる
- Powered by PHP工房 -